つくばの『相続』はお任せください

相続トータルサポート@つくば <span>by 心グループ</span>

土地の相続手続き・登記の流れ

  • 文責:所長 弁護士 安藤伸介
  • 最終更新日:2025年12月18日

1 土地の相続の方法

土地の相続方法には、以下の4つの方法があります。

遺言書がない場合には、遺産分割協議といって相続人全員で話し合いをし、どの方法で土地を相続するのかを決めなければなりません。

遺産がご自宅の土地や建物などの不動産しかないというケースはよく見られますので、相続の方法を知っておくことは大切です。

どのような方法で遺産分割をするのがよいかについては、こちらの記事も参照してください。

⑴ 現物分割

現物分割は、その言葉の通り遺産を現物で分けることをいいます。

たとえば、土地Aと土地Bがある場合に、土地Aを長男が、土地Bを二男が相続するというケースが現物分割です。

また、土地Aを分筆して相続人同士で分けるという方法も現物分割です。

現物分割は、現に存在している遺産を相続人で分ける方法ですので、分割方法としては非常に簡単な方法になります。

しかし、土地の評価額は、高いものもあれば低いものもありますので、複数の土地が存在しているケースにおいて、現物で遺産を分けると、各相続人が取得する土地の評価額に差が出てしまい、不公平な結果となることもあります。

現物分割を行う場合には、相続人の間で遺産の分配に差が生じてしまうことをきちんと理解したうえで行うことが大切です。

⑵ 換価分割

換価分割は、遺産である土地を相続人が取得するのではなく、第三者に売却してその売却代金を相続人で分けるという方法です。

遺産である土地の取得を希望する相続人がいないという場合や、後述する代償分割では代償金の支払いが困難という場合に利用される方法です。

換価分割は、土地を売却した代金を法定相続分で分ければよいため、現物分割とは異なり公平な遺産の分割を実現することができます。

ただし、土地の形状や所在地によっては売却が困難なものもありますので、長期間売却できなかったり、希望の金額で売却することができなかったりするなどのデメリットも生じる可能性があります。

⑶ 代償分割

代償分割は、ある相続人が土地を単独で取得する代償として、他の相続人に金銭を支払うという分割方法です。

現物分割では各相続人が取得する遺産に差異が生じてしまうような場合に、その不公平を調整するために代償分割が行われます。

たとえば、相続人として、長男、長女、二男がいて、遺産として3000万円の土地のみがあるとします。

長男が土地を取得した場合は、長女、二男が取得する遺産がありませんので、相続人の間で不公平が生じてしまいます。

そこで、長男が長女と二男のそれぞれに金銭で1000万円を支払うことにより、公平な遺産の分割を実現します。

注意点として、代償分割は、土地を取得する相続人に代償金を支払える資力があることが前提となります。

⑷ 共有分割

共有分割は、土地をいずれか1人の相続人の単独所有にするのではなく、相続人による共有状態にする分割方法です。

被相続人が死亡して相続が開始すると、被相続人の遺産は、各相続人の法定相続分に応じて共有状態となります。

通常は、遺産分割協議によって、現物分割、換価分割、代償分割のいずれかの方法を選択することになりますが、話し合いがまとまらずにこれらの方法を選択することができない場合には、やむを得ず共有分割とすることもあります。

共有分割は、複数の相続人で不動産を共有することになりますので、将来不動産を利活用しようとする場合にトラブルになることもありますし、別の相続が発生すると共有者が増えていくなど不都合がありますので、できる限り避けた方がよいといえます。

2 土地の相続手続きの流れ

土地を相続するための一般的な手続きの流れは、以下のとおりです。

⑴ 遺言書の有無の確認

まずは被相続人が遺言書を作成していたかどうかを調査します。

遺言書がある場合には、相続人による遺産分割協議よりも遺言書の内容が優先されるからです。

公正証書遺言であれば、公証役場で遺言書の有無を検索することができますので、最寄りの公証役場で問い合わせてみるとよいです。

自筆証書遺言であれば、自宅に保管していることが一般的ですので、金庫や貴重品が入っている場所などを探してみるとよいかと思います。

なお、自筆証書遺言については法務局での保管も認められていますので、法務局に確認をしてみることも必要です。

⑵ 遺産分割協議

遺言書がない場合には、被相続人の遺産は、相続人による遺産分割協議によって分割することになります。

遺産に土地が含まれている場合には、既に説明した「現物分割」「換価分割」「代償分割」「共有分割」のいずれかの方法を選択して土地の遺産分割を行います。

最終的に遺産分割の内容がまとまったら、遺産分割協議書を作成します。

遺産分割協議書は、将来のトラブルを防止するためだけでなく、後述する相続登記においても必要となる書類ですので、必ず作成してください。

⑶ 相続登記に必要な書類・費用の準備

相続登記に必要となる書類および費用としては、以下のものが挙げられます。

①相続登記の必要書類

  • ・登記申請書
  • ・遺産分割協議書
  • ・相続関係説明図
  • ・相続人全員の戸籍謄本
  • ・相続人全員の印鑑証明書
  • ・土地を相続する相続人の住民票
  • ・被相続人の戸籍謄本、除籍謄本、改正原戸籍謄本(出生から死亡まで)
  • ・被相続人の住民票の除票または戸籍の附票
  • ・不動産の固定資産評価証明書
  • ・不動産の全部事項証明書

②相続登記の費用

相続登記をする場合には、上記の書類を収集するための実費がかかります。

戸籍謄本などを取得する場合には、1通あたり450円から750円程度かかりますので、相続人が多い場合にはそれなりの費用がかかると予想されます。

また、相続登記をする場合には、登録免許税という税金がかかります。

相続でかかる税金というと、真っ先に相続税が思い浮かぶかもしれませんが、土地を相続する場合には登録免許税という税金もかかります。

登録免許税について詳しくは、こちらをご覧ください。

登録免許税は、以下の計算式によって算出されます。

登録免許税=土地の固定資産税評価額×0.4%

さらに、相続登記を専門家に依頼する場合には、その報酬も必要となります。

⑷ 法務局に登記申請書類を提出

必要書類の収集が完了した後は、それらを法務局に提出します。

令和6年4月1日から相続登記が義務化されています。

相続の開始があったことを知ったときから3年以内に相続登記をしなければ、10万円以下の過料に処せられる可能性がありますので注意が必要です。

相続登記の義務化については、令和6年4月1日以降の相続だけでなく、それ以前の相続についても適用されますので、まだ相続登記がお済みでない方は、早めに手続きを行ってください。

3 土地を相続した場合の相続税

被相続人の遺産の総額によっては、相続税が課税されることがあります。

最後に、相続税の計算方法と土地の相続に適用される有利な特例について説明します。

⑴ 相続税の計算方法

被相続人の遺産が相続税の基礎控除額を超える場合は、原則として相続税の支払いが必要となります。

相続税の基礎控除額は、以下のように計算します。

相続税の基礎控除額=3000万円+(600万円×相続人の数)

そして、遺産がこの基礎控除額を上回る場合には、以下のような計算式で相続税額を算出します。

相続税額=(法定相続分で分配した相続人ごとの課税遺産総額×税率)-控除額

参考リンク:国税庁・相続税の税率

⑵ 小規模宅地等の特例

土地は、一般的に評価額が高額になりますので、遺産に土地が含まれている場合には、相続税の金額も大きくなってしまいます。

しかし、「小規模宅地等の特例」を利用することによって、土地にかかる相続税の負担を軽減することが可能です。

小規模宅地等の特例は、一定の要件を満たす場合に、その評価額を最大で80%減額することができるという制度で、相続税を支払うために土地を売却しなければならないことを回避するために導入されました。

小規模宅地等の特例は、土地を相続するすべてのケースで利用できるわけではなく、一定の要件を満たす必要があります。

適用を受けるための要件は非常に複雑ですので、小規模宅地等の特例の利用をお考えの方は、税理士に相談をすることをおすすめします。

4 土地を相続された方へ

相続財産に土地が含まれている場合には、土地の評価や分割方法をめぐって相続人同士で争いになってしまうことも少なくありません。

スムーズな遺産分割を実現するためにも、土地を含む相続に関する問題は専門家に相談をすることをおすすめします。

  • 電話相談へ
  • 選ばれる理由へ
  • 業務内容へ

スタッフ紹介へ